雑記0501
少し前まで寒かったのに、コートどころかパーカーですら暑く感じられる。
自転車をこぎながら少しだけ後悔した。
ハイブリットカーだのエコカーだのが叫ばれる昨今だが、
車どおりの多い道の空気はよどんでいるように感じる。
ゴールデンウィークの序盤だがいきなり予定がなかったため、
クルミドコーヒーが出店している「文学フリマ」という催しが行われている流通センターまで向かう。
クルミドコーヒーは西国分寺にあるしゃれたコーヒー屋さんだ。
店内の雰囲気も非常によく、お菓子もコーヒーもうまい。が、遠い。
そんなお店が流通センターに1日限定でやってくるなどまたとない機会だった。
距離を調べると自宅から20km以内。多摩川の河口から立川まで自転車で走った経験に比べればはるかに楽だったので、久々に長距離のサイクリングにこぎ出したのだった。
思っていたより暑かったため、シャツの上に羽織っていたジャケットはすぐに脱いだ。
アラサ―にもなってなにやってんだ、と少し考えた。
でも、自分で漕いで進むことで移り変わる景色が懐かしくも新鮮に感じた。
こんな無茶いつまで出来るのか、などと思いながらなんとなくの感覚で進み1時間以上かけて流通センターに着いた。
流通センターは東京の海近くの倉庫街の中に建つ、中規模の展示会場だ。
アクセスは良いとは言い難く、モノレールか稀に来るバスしか行く方法はない。
徒歩や自転車だと首都高を上手く避けながら進まなくてはならないためとても面倒だ。
そこに自転車で行ったのだから我ながらあほだなあと思う。
会場近くには思っていたよりも多くの人がいた。戦利品をぶら下げている人やその場で読みふけっている人がちらほらいた。
中に入ると簡単なテーブルを規則正しく並べて売り子さんがスペース内で座りながら販売しており、確かにフリーマーケットのような様相だった。
お店をすり抜けてクルミドコーヒーに向かうも、カップがなくなったとのことで補充までのしばしの時間、会場をぐるりと歩きまわる。
売っているものにジャンルはなく、ニッチな研究本やアニメの同人誌、実際に取材したインタビュー本など、私が思っていたよりもはるかに「ちゃんとしたもの」が並んでいた。
単純に驚いた。好き、という気持ちだけで物を作れる情熱に、自分が思う面白いを送り出そうとする意志の強さに。
中にはプロを目指している人もいるのだろうが、プロとしてではなく素人でも物を送り出せるのだということを知った。
しばらくしてコーヒーの販売が再開された。
苦味の中に混ざる甘い香りがとても美味しく、この後の帰り道をどう楽しむかを考えながら少しずつ飲み干す。
『純平、考え直せ』/奥田英朗
実家を出てから「金ねえなあ」と呟きたくなることもしばしば。
以前だと本が読みたいときは本屋で新刊棚から数冊をしょっちゅう買っていたが、
最近は図書館に通いつめるようになった。
手元に本が残らないのはとてもさみしいが、
以前好きだった作家の本や自分がちょっと興味のある本にも手が出しやすくとても重宝している。
今回数冊を借りた中で特に心に残ったのは、『順平、考え直せ』だった。
奥田英朗氏の本は『我が家の問題』の文庫本が発売されたころを最後に読んでいなかったから、約2年ぶりに読んだことになる。
内容に軽く触れると、
やくざの下っ端の純平が、親分から鉄砲玉に指名され、実行する前の3日間を歌舞伎町を中心に物語は展開する。
そのなかで純平は多くの人との出会い、やくざとしてではない生き方や未知の経験など短い間に多くのことを体験していくのだが、
出会う人々も非常に魅力的で、怪しげな通販会社に勤めるOLや、不良になってみたい大学教授、ダンサー、不良刑事、最近であったテキ屋、お客が取れないゲイ、昔の仲間などなど。
刻々と過ぎていく時間の中で、様々なトラブルや出会いによって少しずつ変化する心境、そしてラストシーンには彼の想いを知り色々と考えさせられる。
拙い感想文でした。
説明的な、はじまり。
文章を読むのは好きだったが実際に書いたことはほとんどなかったため、
なんとなく作ってみました。
基本的にその時思ったことなどをつらつらと書くだけなので、
正しくないことも多くあるかと思いますが、
そのあたりはお許しいただけたらと思います。
書くのは、雑談・食べ物・音楽・映画・テレビのことが多くなるかと思います。